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site est.April 2025

ぜひ活用したい、AI画像生成、初心者にもきっと役立つ「プロンプト100個」

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はじめに

ゴミの山が宝石箱に

昨年9月、私はAI image generatorを表現ツールとして積極的に活用することにしました。
過去数十年間、カメラでの写真撮影に取り組んできました。撮影した写真は数万枚を超えていたでしょう。主にストリート・フォトグラフィでした。
街撮りの写真からAIによる表現に鞍替えした主な理由は長時間の歩行が困難になってきたという問題がありました。高齢になると思いがけない身体的故障に遭遇するものです。
しかし突としてそれまでの手法からAIによるイメージ生成に転換できたわけではありませんでした。

2022年11月30日、プロトタイプとして公開されたOpenAIのChatGPTとの出会いが私とAIとの出会いでした。公開日に偶然アクセスしたChatGPTの威力に触れた瞬間、衝撃的な驚きに体が震えたことを鮮明に覚えています。
遡ることさらに1年、超高精細な翻訳ツールDeepLとの出会いもまた日常生活を確実に進化させてくれました。それまで縁遠い存在だった海外の文献やレポートなどが身近なものになりましたが、ChatGPTがもたらしてくれた世界は遥かに広範で無限の可能性を秘めているように思えました。
ChatGPTを活用することによって、それまで検索窓にキーワードを打ち込み、シコシコと情報を漁るといった、数十年に及ぶネットライフの原始時代からの開放された。それは強烈な体験でした。
膨大な情報の取捨選択、得られた情報の論理的な整理と組み立てにといった一連の流れはまるで夢を見るかの流麗さ。その醍醐味に魅了されたわけです。ゴミの山のようだったネット世界が一気に宝石箱に激変した瞬間でした。

宝石箱を開けてみた

要は何がしたいのか?
この質問は重要です。私は躊躇することなくAIをイメージ生成のツールとして活用したい。活用できるようになりたいと考えていました。その扉が開いたのが画像生成AI「Midjourney」の登場と進化です。
草創期の画像生成AIはお絵描きのデジタル版に過ぎませんでした。痛感したことは抱いているイメージや概念を可視化するにはまだ早いということでした。確かにプロントを送ればイメージの可視化はできる。しかし出力結果は予期しなかったビジュアルイメージに翻弄されるばかり。ガチャに依存していたのでは、作品としての意味が担保できなくなってしまう。
実用化の域に達したは2024年8月17日black forest labs[Flux1]、2024年8月28日Google マルチモーダル生成AIモデル「Gemini」の画像生成用AIimage[Imagen 3]をブラウザから利用できる[image FX]のリリースによって手軽にインプット、アウトプットが可能になりました。
それから約7ヶ月間(雑務や体調不良によって3か月間は犠牲になりましたが)、ただひたすらにプロンプトとの格闘を重ねてきました。取り組めば取り組むほど、プロンプトの重要性ということが最大の課題になりました。宝石箱の中に眠っている無数の宝物は、プロンプトの最適化、構文の完成度を高めることによって、徐々に輝きを増すことが可能になる、プロンプトエンジニアリングの魔術で現実と幻想の境界を溶解させることができるということが分かったわけです。以下、プロンプトの具体的な使い方、コツなどについて分かりやすくまとめてみます。

Flux1.1 [pro] ultra Redux
2025-03-29
prompt engineering by Akira Obata

プロンプトとは?

プロンプトについてのポイント

  • プロンプトはAI画像生成器にとって非常に重要で、AIが望む画像を作成するためのガイドラインを提供します。
  • プロンプトの質が生成される画像のクオリティに直接影響を与えることを示唆しています。
  • プロンプトはユーザーが画像をカスタマイズし、創造的な制御を行う手段としても機能します。

プロンプトの役割

AI image generatorでは、プロンプトはユーザーがAIに何を作成させるかを伝えるテキスト記述です。
例えば、「猫」という簡単なプロンプトでは基本的な猫の画像が生成されますが、「青い目のペルシャ猫が窓辺に座り、太陽のバックライトを受ける」という詳細なプロンプトでは、より具体的な画像が得られます。
プロンプトはAI image generatorに何を作成するかを明確に伝える手段です。プロンプトがない場合、AIはランダムな画像を生成する可能性があり、ユーザーの期待に応えられません。プロンプトがAIの出力を正確に導くための鍵だと言えます。

なぜ重要か

プロンプトはAI image generatorに指示を与える主要な方法であり、生成される画像の関連性と美学に大きな影響を与えます。詳細で明確なプロンプトほど、ユーザーのビジョンに近い画像が生成される可能性が高まります。また、プロンプトを調整することで、ユーザーは画像の構成、色、スタイルなどを自由にカスタマイズすることができます。

具体例と比較

プロンプト例生成される画像の特徴詳細度
「猫」一般的な猫の画像
「青い目のペルシャ猫」青い目を持つペルシャ猫の画像
「青い目のペルシャ猫が窓辺に座り、太陽のバックライトを受ける」詳細な設定と照明のペルシャ猫の画像

この表から、プロンプトの詳細度が増すほど、生成される画像が大きく異なることがわかります。

generat by Image FX=Imagen 3

最適なプロンプト作成のベストプラクティス

効果的なプロンプトを作成するためのガイドラインは以下の通りです。

  • 具体的に記述する
  • 主題、環境、スタイル、特定の詳細(色、照明、ムードなど)を明確に記述します。たとえば、「印象派の絵画スタイルで、夕暮れ時の花畑に立つ女性」というプロンプトは、AIに明確な指示を与えます。
  • 記述的な言語を使用する
  • 形容詞や具体的な用語を使用してAIをガイドします。たとえば、「鮮やかで詳細な、サイバーパンク都市の夜景」というプロンプトは、AIに視覚的なイメージを明確に伝えます。
  • 簡潔さを保つ
  • 詳細は重要ですが、過度に長いプロンプトはAIを混乱させる可能性があります。バランスを見つけることが鍵です。Midjourneyのドキュメントでは、短くシンプルなプロンプトが最適とされています(Midjourneyのドキュメント)。
  • 反復と改善
  • 基本的なプロンプトから始め、初期の出力に基づいて調整を繰り返します。これにより、望む結果に近づけることができます。

研究課題

プロンプト工学(prompt engineering)がAI画像生成の重要な側面であることは間違いありません。Wikipediaのプロンプト工学のページ(Wikipedia)では、プロンプトがAIモデルの出力を最適化するための重要なプロセスであると説明されています。また、Google CloudのジェネレーティブAIプロンプトサンプルでは、さまざまなプロンプト例が提供され、効果的な使用方法が示されています。これは非常に参考になりました。

倫理的考慮事項
プロンプトの使用には倫理的な側面もあります。AI画像生成ツールは、誤解を招くまたは有害なコンテンツを生成する可能性があるため、ユーザーは責任を持ってプロンプトを作成する必要があります。たとえば、MIT Sloanの記事では、AIがバイアスを増幅する可能性があると指摘されており、プロンプトの作成時に注意が必要です。
プロンプトはAI画像生成ツールの核心であり、生成される画像の質と創造的な可能性を決定します。特にFluxなどでは詳細で具体的なプロンプトを作成することで、単にビジュアルを表現するだけでなく、例えば空気感を生み出すなど、ユーザーは自分のビジョンをより深く実現し、AIの能力を最大限に引き出すことができます。
プロンプトの重要性は今後もAI技術の進化とともにさらに重要性を増していくことでしょう。

推敲を重ねたプロンプトからの出力例

Flux1.1 [pro] ultra Redux
2025-03-21
prompt engineering by Akira Obata

プロンプト:

This steampunk-inspired anthropomorphic figure features a beautiful female angelic head with intricate metallic and floral decorations. The head is made of a weathered off-white material with noticeable rust and patina, giving it an antique, mechanical look. Large, glossy black eyes dominate the face, surrounded by pure white floral accents and small turquoise blue ornaments. The headgear combines metallic spikes, gears, and red cloth roses to create a striking and elaborate crown-like effect. The long neck is composed of coiled metal springs, adding to the mechanical beauty of the figure. The figure wears a richly embroidered red outfit with gold and silver detailing that resembles a traditional Asian costume. The background is a subdued textured surface in soft, warm tones that contrast subtly with the lively, detailed figures in the foreground.

プロンプト100個

画像生成AIで使用できる画風やスタイルのプロンプトを100個リストアップしました。  
これらのスタイルは、伝統的なアートスタイル(例:ルネサンス、印象派)、デジタルアート(例:ピクセルアート、3Dレンダリング)、テーマ別スタイル(例:サイバーパンク、ファンタジー)などを含みます。  
各スタイルは英語と日本語の翻訳で提供し、AIツール(Flax、Image FX、Midjourney、Stable Diffusion、DALL-Eなど)で活用可能です。


スタイルの概要

以下は、100個の画風・スタイルのリストです。これらはアート史の動き、技法、地域、雰囲気などをカバーしており、AI生成画像に多様性をもたらします。たとえば、「Anime Style(アニメ風)」や「Oil Painting(油絵)」のように、具体的なメディアや時代を指定できます。  
また、一部のスタイル(例:16-Bit、Vaporwave)はデジタルカルチャーに根ざしており、レトロゲームや1980年代のエステティックを反映します。これらは伝統的なアートスタイルとは異なり、現代のAIアートコミュニティで特に人気があります。技術的な背景を持つユーザーにとって新鮮な選択肢となるでしょう。  

使用例

これらのプロンプトは単独で使用するだけでなく、被写体や環境と組み合わせることができます。例:「a cat, Ukiyo-e, in a forest(猫、浮世絵風、森の中)」のようにすることで、より詳細な画像が生成されます。  

意外な詳細

ユーザーが画像生成AIで多様なスタイルを指定できるように、100個のプロンプトを収集・整理しました。プロンプトは、アート史の動き(例:ルネサンス、キュビズム)、技法(例:水彩画、線画)、地域的スタイル(例:浮世絵、中国水墨画)、テーマ別スタイル(例:サイバーパンク、ホラー)などを含むよう設計しました。

オンラインの信頼できるリソースを参照し、AIアートコミュニティで一般的に使用されるスタイルを特定しました。たとえば、Zapier: AI Art StylesGroove Jones: Exploring Prompting for MidjourneyStudio Binder: Art Styles Explainedなどのページから情報を収集しました。これらのリソースは、AI生成画像のプロンプトとして有効なスタイルのリストを提供しており、リスト作成の基盤となりました。

スタイルの分類と選択

スタイルは以下のカテゴリに大別されます:  

  • 伝統的なアートスタイル:ルネサンス、ゴシック、バロックなど。  
  • 技法ベースのスタイル:水彩画、油絵、線画など。  
  • デジタル・現代スタイル:ピクセルアート、3Dレンダリング、グリッチアートなど。  
  • テーマ別スタイル:サイバーパンク、ファンタジー、ノワールなど。  
  • 地域的・文化的スタイル:浮世絵、中国水墨画、ケルトアートなど。

これらのカテゴリから、重複を避けながら100個のユニークなスタイルを選定しました。たとえば、「Anime Style(アニメ風)」や「Manga Style(マンガ風)」は日本のポップカルチャーを反映し、「16-Bit(16ビット)」はレトロゲームの視覚的スタイルを表します。また、「High Detail(高精細)」や「Low Poly(ローポリ)」はAI生成画像でよく使用される技術的なスタイルです。

No.英語名日本語翻訳
1Realisticrealistic (リアルな)
2Photorealisticphotorealistic (写真のようにリアルな)
3Hyperrealistichyperrealistic (超現実的な)
4Oil Paintingoil painting (油絵)
5Watercolorwater color (水彩画)
6Acrylic Paintingacrylic painting (アクリル画)
7Gouachegwash (ガッシュ画)
8Pastelpastels (パステル画)
9Charcoal Sketchcharcoal sketch (木炭スケッチ)
10Pencil Sketchpencil sketch (鉛筆スケッチ)
11Ink Drawingink drawing (インク画)
12Anime Styleanime style (アニメ風)
13Manga Stylemanga style (マンガ風)
14Cartoon Stylecartoon style (カートゥーン風)
15Chibichibi (ちびキャラ)
16Kawaiikawaii (カワイイ)
17RenaissanceRenaissance (ルネサンス)
18GothicGothic (ゴシック)
19VictorianVictorian (ビクトリア朝風)
20Art DecoArt Deco (アールデコ)
21Art nouveauArt nouveau (アールヌーボー)
22RomanticismRomanticism (ロマン主義)
23Realismrealism (写実主義)
24SurrealismSurrealism (シュールレアリスム)
25CubismCubism (キュビズム)
26FauvismFauvism (フォービズム)
27PointillismPointillism (点描画)
28ExpressionismExpressionism (表現主義)
29ImpressionismImpressionism (印象派)
30Pop ArtPop Art (ポップアート)
31Abstract ExpressionismAbstract Expressionism (抽象表現主義)
32Ukiyo-eUkiyo-e (浮世絵)
33Japanese StyleJapanese style (和風)
34Chinese InkChinese ink (中国水墨画)
35CelticCeltic (ケルト風)
36EgyptianEgyptian (エジプト風)
37Tribaltribal (トライバル)
38Sci-FiSci-Fi (SF風)
39Fantasyfantasy (ファンタジー)
40Horrorhorror (ホラー)
41NoirNoir (ノワール)
42Steampunksteampunk (スチームパンク)
43Cyberpunkcyberpunk (サイバーパンク)
44Dieselpunkdieselpunk (ディーゼルパンク)
45Retroretro (レトロ)
46Vintagevintage (ビンテージ)
47Futuristicfuturistic (未来的)
48Westernwestern (西部劇風)
49Piratepirate (海賊風)
50Grungegrunge (グランジ)
51PunkPunk (パンク)
52GlamGlam (グラム)
53Line Artline art (線画)
54Minimalistminimalist (ミニマリスト)
55Abstractabstract (抽象的)
56Collagecollage (コラージュ)
57Paper Cutoutpaper cutout (切り絵)
58Mosaicmosaic (モザイク)
59Stained Glassstained glass (ステンドグラス)
60Woodcutwoodcut (木版画)
61Engravingengraving (彫版画)
62Etchingetching (エッチング)
63CalligraphyCalligraphy (カリグラフィー)
64GraffitiGraffiti (グラフィティ)
65Street Artstreet art (ストリートアート)
66Tattoo Styletattoo style (タトゥー風)
67Digital Artdigital art (デジタルアート)
68Pixel Artpixel art (ピクセルアート)
69Vector Artvector art (ベクターアート)
703D Render3D render (3Dレンダリング)
71Low Polylow poly (ローポリ)
72High Detailhigh detail (高精細)
73Glitch Artglitch art (グリッチアート)
74Holographicholographic (ホログラフィック)
75Neonneon (ネオン)
76Synthwavesynthwave (シンセウェーブ)
77Vaporwavevaporwave (ヴェイパーウェーブ)
78DadaismDadaism (ダダイズム)
79SymbolismSymbolism (象徴主義)
80ConstructivismConstructivism (構成主義)
81FuturismFuturism (未来主義)
82Art BrutArt Brut (アートブリュット)
83Naive Artnaive art (ナイーブアート)
84RococoRococo (ロココ)
85NeoclassicismNeoclassicism (新古典主義)
86Pre-RaphaelitePre-Raphaelite (プレラファエライト)
87Hudson River SchoolHudson River School (ハドソンリバー派)
88Ashcan SchoolAshcan School (アッシュカン派)
89Harlem RenaissanceHarlem Renaissance (ハーレムルネサンス)
90Color Field Paintingcolor field painting (カラーフィールドペインティング)
91Hard-edge Paintinghard-edge painting (ハードエッジペインティング)
92Conceptual Artconceptual art (コンセプチュアルアート)
93Op ArtOp Art (オプアート)
94Scratchboard artscratchboard art (スクラッチボードアート)
95Drypointdrypoint (ドライポイント)
96Mezzotintmezzotint (メゾチント)
97Aquatintaquatint (アクアチント)
98Lithographiclithographic (リトグラフィック)
99Screen printscreen print (スクリーンプリント)
10016-Bit16-bit (16ビット)

使用方法と追加の考慮点

たとえば、「Anime Style, Watercolor(アニメ風、水彩画)」や「Cyberpunk, Neon(サイバーパンク、ネオン)」のように指定することで、AIが生成する画像の雰囲気を細かく調整できます。

リスト作成段階では、Zapier: AI Art Stylesから70以上のスタイルリストを参照し、Groove Jones: Exploring Prompting for Midjourneyから50以上のプロンプトを確認しました。さらに、Studio Binder: Art Styles Explainedから40以上のアートムーブメントを追加し、網羅性を高めました。

まとめ

このリストは、画像生成AIで多様なスタイルを探索するための包括的なガイドです。ユーザーはこれらのプロンプトを基に、創造的な画像生成を試みることができます。AIツールの特性により、一部のスタイルは生成が得意または苦手な場合があるため、試行錯誤を通じて最適な結果を得ることをお勧めします。
次回以降では多くの作例を示しながら、それぞれの出力に対するより具体的で実践的な説明を加えていこうと思います。


主要引用

Zapier: AI Art Styles to use in your AI prompts
Groove Jones: Using Generative AI Art – Midjourney, DALL-E, and Stable Diffusion
Studio Binder: Art Styles Explained — A Complete Guide to 40+ Art Movements